ガロア理論の頂を踏む を読む

ガロア理論の頂を踏む を読む。

最大公約数、ユークリッドの互除法

一次不定方程式で、整数解求める。

このときに、最大公約数が、整数解の存在にとって決定的。



余りの計算、剰余類

余りによって分けたクラスを、剰余類という



正六角形を回転させよう、巡回群

群、二項演算で閉じる、結合法則単位元の存在、逆元の存在。

すべての元が一つの元で表せる群が、巡回群

位数は、群の元の数

有限群か無限群。



群が同じということ、群の同型

Z/6Zは6の剰余群、足し算に関して群

群の同型写像全単射で、演算の構造保存してるもの。

全単射の性質は、集合の要素数等しく、逆写像あること

全射は全ての行き先に、行く出発点があること。

単射は全ての行き先が被らないこと。



一部の元でも群になる、部分群

巡回群の部分群は巡回群で、位数はもとの位数の約数



2つの群から群を作る、群の直積

Z/3ZとZ/5Zを並べて書いたものは、それらの直積

演算はそれぞれの演算を並列でする

有限群なら、群の要素数はもとの群の要素数の積

Z/pZ×Z/qZは、Z/pqZと同型

中国剰余定理



掛け算だって群になる、既約剰余類群

nと互いに素な剰余類を持ってきて、掛け算を考えると、群になる。これが既約剰余類群



Z/pZ*は直積でかけるか、既約剰余類群の構造分析

既約剰余類群ほ、巡回群の直積と同型

有限可換群な巡回群の直積と同型

既約剰余類群の位数は、オイラー関数で表す



Z/pZ*は巡回群である、原始根で生成

原始根とは、巾乗を計算すると、全ての既約剰余類群の元を生成できるもの。

加減乗除ができる分配法則が成り立つ集合を、体という

Z/5ZはF5という

Fp上の一次方程式はただ一つの解をもつ

Fp上での剰余の定理、因数定理

そこから、発展して、Fp係数のn次方程式f(x)=0の解は高々n個である。



素数pの原始根は確かにある、原始根の存在証明

pか素数のとき、pには原始根が存在する。

pが素数のとき、Z/pZ*は位数p-1の巡回群に同型

原始根の存在と、それよって全て生成される点の二点による。



既約剰余類群を解剖する、Z/pZ*の構造

Z/2^nZ*は、Z/2^(n-2)Z×Z/2Zと同型

Z/p^nZ*は、Z/p^(n-1)Z×Z/pZと同型

これら2つを利用し、前の定理、既約剰余類群を、複数の既約剰余類群に(素因数分解の要領で)分解して、さらにこの2つの道具を使うと、

既約剰余類群が、巡回群の直積と同型であることが示せる。



正三角形の対称性を調べる、二面体群

可換群、任意の2つの元に対する演算が交換可能な群

群の要素によって入れ替える、群の要素を噛ませたら郡全体なら群全体の入れ替え。部分群なら同じ要素数の部分群へうつす。



部分群から剰余群を作る、一般の剰余群

剰余類の特徴3つ。共通部分がない、元の群の元がどこかに割り当てられる、剰余類の要素全てわかる。

有限群Gの部分群H、それぞれ位数をn, n/dとおく。

Hに左/右からGの全ての元を掛けて、集合をn個作る。同じ集合でグループ分けすると、d個の位数n/dの集合たちができる。このグループは共通部分を持たない。左/右剰余類と言われる。

剰余類の個数dはGのHによる指数と言われ、[G:H]で表す。

ラグランジュの定理 |G| = [G:H]|H|

位数乗は単位元。Gを位数nの有限群とする、Gの要素gについて、g^n = e

フェルマーの小定理オイラーの小定理もこれから導かれる。

剰余類の単位元、Hを群Gの部分群とするとき、gH = Hであることと、g がHの要素であることは同値。



立方体の対称性を調べよう、S(P6)

クラインの4元群

正規部分群。Hを有限群Gの部分群とする。Gの全ての元aについて、aH = Haが成り立つ時、HをGの正規部分群という。

剰余群。HがGの正規部分群である時、GのHによる剰余類g1H, …, gdHが、

(giH)(gjH) = gigjHという演算について群になる。この群をGのHによる剰余群という。G/Hと表す。

巡回群の剰余群は巡回群である。

半分の部分群は正規部分群。HがGの部分群で、GのHによる指数が2の時、Hは正規部分群



同型写像準同型写像

群の準同型写像。群G、G’について、GからG'の写像fがある。Gの任意の2つの元x, yについて、f(xy) = f(x)f(y)が成り立つ時、fをGからG'への準同型写像という。

fを群Gから群G'への準同型写像とする。Im(f)、Ker(f)は群である。

準同型定理写像fが群Gから群G'への準同型写像であるとする。N=Ker(f)とすると、G/N は Im(f)と同型。つまり、群Gの写像fの核Ker(f)による剰余群が、写像fの像Im(f)と同型である。(全単射であり、構造を保つ)



同型を作ろう、第二同型定理、第三同型定理。

部分群であるための条件。Hが群Gの部分群であることと、Hの任意の元x,y についてxy, x^(-1)が含まれることは、同値。

部分群の演算。H, Nが群Gの部分群である時、HとNの共通部分は、Gの部分群。特にNがGの正規部分群なら、HNは部分群。

第二同型定理。Hが群Gの部分群、Nが群Gの正規部分群である時、H/(H∩N) とHN/Nが同型。

第三同型定理。N, Mを群Gの正規部分群とし、N⊃Mを満たす時、(G/M)/(N/M) と G/Nが同型。



あみだくじのなす群、対称群Sn

置換。n個の数字の置換についての群を、n次対称群という。

横棒一本に対応する置換を互換という。

置換は互換の積。n次対称群のSnの元は互換の積で表される。その互換の数の偶奇が大事。

対称群Snのうち、偶置換の集合は群であり、n次交代群と言われる。Anと表す。

σをSnの互換とすると、Sn=An∪σAn、[Sn:An] = 2, 剰余群Sn/Anは巡回群

Anの任意の元は三換の積で表される。



巡回群入れ子構造、可解群

可解群。Gに対する、G = H0 ⊃ H1 ⊃ H2 ⊃ … ⊃ Hs = {e} という部分列に置いて、HiがHi-1の正規部分群になっていて、剰余群Hi-1/Hiが巡回群となる時、Gを可解群という。

HiがHi-1の正規部分群となっている部分群の列を正規列という。さらに、そのHi-1/Hiが巡回群となる時、可解列という。

巡回群は可解群であり、巡回群の直積は可解群。

Gが可解群ならば、Gの部分群Hは可解群である。

5次以上の交代群Anは可解群ではない。

5次以上の対称群Snは可解群ではない。

Gが可解群であり、fがGからG'への準同型写像であるとすると、f(G)は可解群。

Nが群Gの正規部分群である時、Gが可解群であることと、N, G/Nが可解群であることは同値。



基本対称式で表そう、対称式

解と係数の関係。対称式。基本対称式。

対称式の基本定理。多項式の対称式は、基本対称式で表すことができる。



多項式における素数、既約多項式

既約多項式。これ以上因数分解出来ない多項式

Fp上の多項式は整域。整数係数の多項式f(x) の係数が全てpで割り切れ、整数係数の範囲でf(x)=g(x)h(x)と因数分解されている時、g(x), h(x)の何か一方は、全ての係数がpで割り切れる。

有理数係数多項式の既約性。整数係数の多項式f(x)が整数係数で既約多項式ならば、有理数係数でも既約多項式である。

Eisensteinの判定条件。既約多項式かどうか判定する条件。



整数と多項式のアナロジー多項式合同式

多項式の一次不定方程式。a(x), b(x)が互いに素な多項式である時、任意の多項式H(x)に対して、a(x)F(x) + b(x)G(x) = H(x)を満たす多項式の組み(F(x), G(x))で、G(x)がa(x)の次数より小さいような組みが存在。

既約多項式の性質。



既約多項式で割っても体、Q[x]/p(x)

有理数係数の多項式の集合Q[x]に含まれる多項式をp(x)で割った余りで多項式を分類した、剰余類の集合をQ[x]/p(x)と書く。

既約多項式による体

p(x)をQ上の既約多項式とすると、Q[x]/p(x)は体である。



2次方程式から複素数が出てくる、複素数

複素数体



複素数が活躍する舞台、複素平面

加法定理、絶対値、偏角

ド・モアブルの公式



円をn等分する点、1のn乗根

1の原始n乗根。個数はφ(n)個ある。つまり、nと互いに素な数の個数ある。



1の原始n乗根を解に持つ方程式、円分多項式

円分多項式は、整数係数多項式になる。



n次方程式には必ず解がある、代数学の基本定理

代数学の基本定理複素数係数のn次多項式x^n + … + a0 = 0は、複素数の中にn個の解を持つ。



nが合成数でも円分多項式は既約、Φ(x) の既約性の証明。

円分多項式の既約性。Φn(x)はQ上で既約である。



体と自己同型写像

無理数の計算を簡単にしよう、Qsqrt{3}の対称性

体の定義

代数的数を足した体を代数拡大体という。

体の同型写像



この計算どこかで見たぞ、Q[x]/(f(x)) simeq Q(alpha)

最小多項式と既約多項式

αを解に持つ有理数係数方程式のうち次数が最小のものを、αのQ上の最小多項式という。これは、Q上の既約多項式

次数がnなら、Q(α)をn次拡大体という。

多項式の剰余類群と単拡大体

Q[x]/f(x) \simeq Q(α)



同型はn個、Q(α1) simeq … simeq Q(αn)

n次既約多項式の解αiについて、Q[x]/f(x) \simeq Q(α1) simeq … simeq Q(αn)



体の次元を捉えよう、線形代数の補足



方程式の解を含む体



4次方程式の例、中間体



2段拡大



固定群と固定体が対応している!、ガロア対応



拡大体は全て単拡大体



同型写像ではみ出ない



2段拡大理論で証明しよう。、ガロア対応の証明




根号で表す。

1のn乗根を冪根で表す。

 

3次方程式をべき根で解く

 

3次方程式のガロア対応を調べよう

 

4次方程式をべき根で解こう

 

4次方程式のガロア対応を調べよう

 

1の冪根の作る体

 

x^n - a = 0の作る拡大体

 

巡回拡大はx^n - a = 0で作れる

 

ピークの定理に立とう

 

五次方程式の解の公式はない

 

 

感想(ブログ執筆者)

  1. 整数絡みの有限群の説明が丁寧
    1. 既約剰余類群が巡回群の直積で表されること、中国剰余定理など
  2. 群論の説明も丁寧
    1. 剰余類、剰余群、ラグランジュの定理などの群論の基本的な要素をわかりやすく説明している。
  3. 既約多項式と体の関係性