『曲がった空間の幾何学』の感想

曲がった空間の幾何学なる本を読む。

  1. はじめに
    1. 曲がっていない空間
    2. ユークリッド距離とは
    3. ベクトルと線型空間
    4. 長さと角度
    5. 曲線の長さ
    6. 線分と円弧の長さ
  2. 近道
    1. 近道を探そう
    2. 曲線の曲がり方
    3. 近道は測地線
    4. 近道は一つとは限らない。
  3. ユークリッド幾何からさまざまな幾何へ
    1. 球面と双曲平面
    2. ユークリッド幾何
    3. 三角形の内角の和
    4. リーマン幾何学
    5. ミンコフスキー空間
  4. 曲面の位相
    1. 連続変形
    2. 単体分割とオイラー
    3. 曲面の三角形分割
    4. 曲面の位相的分類と連結和
    5. オイラー数と種数1
  5. うらおもてのない曲面
    1. うらおもてのない曲面
    2. うらおもてのない閉曲面の分類
    3. オイラー数と種数2
  6. 曲がった空間を考える
    1. そもそも曲面とは?
    2. 曲面から多様体
    3. 曲面の曲がり方の導入
    4. オイラーの考えたガウス曲率
    5. 平坦な曲面と負の定曲率曲面
  7. 曲面の曲がり方
    1. 曲面の計量と第一基本形式
    2. 第二基本形式
    3. ガウス曲率と平均曲率
    4. ガウスの驚愕定理
    5. 等温座標によるガウス曲率
    6. ガウス曲率とガウス写像
  8. 知っておくと便利なこと
    1. 立体射影(球面の場合)
    2. 立体射影とケーリー変換(双曲面の場合)
    3. 球面上の距離はどう測るのかーフビニスタディ計量
    4. 三角関数双曲線関数
    5. 双曲面上の距離はどう測るのかーポアンカレ計量
  9. ガウスーボンネの定理
    1. 外積と面積要素
    2. 積分と面積分
    3. ガウスーボンネの定理と三角形の内角の和
    4. 近道が1つしかない空間
    5. 閉曲面に対するガウスーボンネの定理
    6. 曲率と位相
  10. 物理から学ぶこと
    1. 勾配ベクトル場と発散定理
    2. ストークスの定理
    3. 調和関数
    4. 最大値原理
  11. 三角形に対するガウスーボンネの定理の証明
    1. 簡単な微分形式
    2. 微分
    3. ストークスの定理
    4. ストークスの定理の応用
    5. 三角形に対するガウスーボンネの定理の証明
  12. 石鹸膜とシャボン玉
    1. 石鹸膜の幾何学
    2. シャボン玉の幾何学
    3. 石鹸膜とシャボン玉のガウス写像
    4. 勾配流、平均曲率流
  13. 行列ってなに?
    1. 線形性とは?
    2. 行列
    3. 固有値
    4. 実対称行列の固有値の意味
    5. 実対称行列の固有ベクトルの直交性
  14. 行列の作る曲がった空間
    1. 行列の作る群の形
    2. リー群
    3. SU(2)とSO(3)の表す図形
    4. 群作用と対称性
    5. 被覆空間
    6. どこから見ても同じ空間
  15. 3次元空間の分類
    1. ポアンカレ予想
    2. 幾何化予想
  16. 感想(ブログ執筆者)
    1. まず、図形の曲がり具合について、測地線の定義を知れて良かった。
      1. 測地線、曲がる方向について、空間曲線のそれぞれの点における加速度ベクトルを取った時に、接平面の成分と、それから逸脱する成分がある時に、前者を0のまま引いた曲線
    2. 計量について
      1. 双曲型、楕円型とか空間と計量(内積)の定めかたによって面白い性質が出てくる。
    3. オイラー数とガウスーボンネの定理について
      1. 微分外積を利用して、ストークスの定理からガウスーボンネの定理を導出する様は綺麗だった。
      2. オイラー数という位相的特徴量が、ガウス曲率という微分幾何学的な特徴量の面積分によって得られるのは驚き。
      3. 高次元についても考える価値あり。
    4. シャボン玉と極小曲面
      1. 平均曲率を最小化することで、面積を小さくしようという試み。
      2.  (g, fdz)なる、ワイエルシュトラスーエンネッパー表現というもので、極小曲面を表せる。
      3. 勾配流や、平均曲率流など、無限次元の関数空間に流れを持たせることで、上手い形に落とし込むこと。
    5. リー群と形
      1. 対称性を扱うのが得意な群論と、それに内在する形、およびそれを実現している行列と、3つの観点から楽しめる美味しい分野。
      2. 点が要素であり、行列である、という面白さ。微分可能性がさらに面白くしている。