quasilinear partial differential equation

準線形偏微分方程式について

  • 短い資料はこちら
  • 偏微分方程式において、高階の導関数と低階の導関数がごちゃごちゃ混ざっている。
  • その混ざり方によって分類したい
    • なぜなら、ある類には良い性質があり、それを用いて解析的に解けるから
  • その類の1つに、quasilinear PDEというものがある。
  • 判定基準は、
    • 最も高階の導関数が線形に現れる。
    • 具体例を考える
    • 波動方程式は、2階が最高で、かつ、それが重ね合わせの形で出ている
    • 反応拡散方程式(のうち、シンプルな、ロジスティック増殖と拡散項からなるもの)は、ラプラシアンによる2階の導関数が、線形に現れている。
  • すると、どうやって解くかが気になる。
  • 色々資料はある。例えばこちら。
    •  a(x,y,u) \frac{\partial u}{\partial x} + b(x,y,u) \frac{\partial u}{\partial y} = f(x,y,u)
    • これは良い感じに、割り算して、定数となる式を求めて、
    • あとは任意の関数でそれらの定数をくっつける。
    • 細かいことは資料を参照のこと。

 

流体の計算において、時間についての微分と、空間についての微分が、線形に現れる場合、このquasilinear PDEの形になるケースが少なくない。

 

すると、これを使える余地がある。

equivalence relation

同値関係

  • AはBと同値であるとはどういうことか。
  • 同値関係、equivalence relationとは、以下の三つが成り立つことである。
  • reflexive
    • 反射律
  • symmetric
    • 対称律
  • transitive
    • 推移律

 

閉包

  • 位相空間$X$における部分集合$A$を考える。
  • 触点というものを定義する
    • 任意の正の実数εに対し、 U(x, \epsilon) \cap A \neq \phi となる$x$を$A$の触点という。
  • 部分集合$A$の触点全体の集合を$A$の閉包という。
  • これは、Aを含む最小の閉集合
  • 詳しくはこちらを参照

 

 

ハウスドルフ空間

  • 位相空間がハウスドルフであるとは、相異なる2点に対して、それぞれ(片方のみ)を包含して、を分離するような開集合が存在する。
  • ハウスドルフ空間はT1空間で、一点集合は閉集合である。
    • これを利用して、背理法で、ハウスドルフ空間を仮定して、ある同値類の1つを取り出して、それが1点なので、閉集合であることを主張できる。
    • そして、それをもとに、商写像の性質を利用して、
    • 値域で閉集合なら、定義域においても閉集合である、ということを利用して、矛盾を見つける、という操作ができる
  • さらに、コンパクト部分集合は閉集合である。

 

写像

こちら

商位相

  • 同値類のからなる部分集合が開集合である、ということを定義したい。
  • 同値類を元の集合の部分集合と考える
  • すると、その部分集合の和集合は考えられる。
  • それが開集合であることも考えられる。
  • よって、それを定義に使う。
  • これが商位相

 

区間が開集合であること。

  • 詳しい例などはこちら
  • どんな点でも、それを中心とする十分小さいボールを持ってきたら、すっぽり入る

 

laurent series, identity theorem

ローラン展開について、

主要部と正則部で表すことを考える。

 

正則関数とは、定義域上の全ての点で複素微分可能な複素関数

wikiこちら

 

円環領域なら、その円環領域の形の制約を利用して、

 \frac{1}{1-x} = 1 + x + x^2 + x^3 + \cdots

を使いながら、展開をする。

円環領域のLaurent展開は、こちらに具体例がたくさんある。

 

 

 

ところで、複素平面全体で正則な関数を整関数、entire functionという。

 

 

整関数 g(x)について、 \overline{g(\overline x)}が整関数になることを示すことが出来る。

 

整関数なら、テイラー展開が出来る。

それを、複素共役とったxを代入する。

そうして出来たものの複素共役をとる。

すると、正則であることがわかるので、整関数であることが言える。

 

ここで、複素共役についての知識が必要になる。

複素共役変換についてはこちらのwikiを参照。

 

 

 

Liouvilleの定理

有界な整関数は定数である。

 

 

 

零点

ローラン展開した時に、 f(z) = a_m (z - z_0) + \cdotsとなるとき、 z_0を$m$次の零点という。

 

関数が0になるような点、と簡単に覚えても差し支えないだろう。

 

 

集積

複素数全体の開集合の中で、点列が集積点をもつとは、その点列の極限が存在して、その開集合に属すること。

 

 

最大値の原理(複素解析

有界な領域D上の正則関数f(z)について、ある$z_0 \in D$で関数が最大値をとるとき、その関数は定数関数である。

リンクはこちら

 

ここで、

二つの正則関数が零点を共有している場合を考える。そして、零点を除く領域において、それらの関数のノルムの比が有界であるとする。

 

すると、その比を表す関数が正則になっていて、

かつ、

その正則性と、有界性によって、最大値原理によって、その比が定数であることを示す。

 

ここで、最大値が存在することを示そう。

有界閉領域における連続関数は、その領域上で最大値と最小値をもつ。

詳しくはこちら

ついでに、キープレイヤーのBolzano-Weierstrassの定理はこちら

有界な点列は、収束部分列をもつ。

 

 

よって、最大値をもつので、これは定数になる。

 

ここで、一部の領域において、定数倍である、という関係性がわかった。

 

さらに、以下の一致の定理を使うと、領域全体で、その局所的に示された関係性が成立することがわかる。

 

 

 

一致の定理

関数がある領域上で正則であるとする。

その領域のある点に収束する点列があって、その全ての点が零点なら、その領域において、恒等的に0である。

 

これの応用として、開部分集合上や、曲線上で一致する場合も、一致の定理が使える。

詳しくはこちら

 

 

複素解析の周りの言葉をうろうろしてみた。

面白い定理がたくさんあるし、モデルに応用出来る可能性は非常に高い。

 

そして何より、一致の定理の考え方は面白い。

部分的に同じなら、全体でも同じ。

人でイメージを置き換えるなら、

一部のDNAが同じ人間は、全てのDNAが同じ、

朝ご飯が同じ人間は、全く同じ人間

という具合かもしれない。恐ろしい。

convergence of alternating series

交代級数が収束する。

Dirichletの定理(詳しくはこちら。)

実数の数列 \{ \lambda_n \}が単調で、かつ、 \lambda_n \rightarrow 0  (n \rightarrow \infty) で、 \{ a_n \}が、その部分和列が有界であるとする。

このとき、 \Sigma_{n=1}^{\infty} \lambda_n a_nが収束する。

 

この証明については、適度に部分和分をとり、単調性を利用して不等式評価することで、絶対収束することを示す。

 

任意のBanach空間で、絶対収束する級数は収束する。

 

そして、ここで単調な0に収束する数列を考えて、

そして、部分和列が誘拐な数列として、1,−1の繰り返す数列を考える。

これすなわち、交代級数の収束性の議論に他ならない。

 

Weierstrass M test

集合A上の実数値または複素数値の関数列 \{ f_n \}に対し、ある数列 \{ M_n \}が存在して、 |f_n(x)|  \leq M_n (x \in A)かつ、 \Sigma_{n = 1}^{\infty} M_n <\inftyならば、 \Sigma_{n=1}^{\infty} f_n(x)は、A上絶対一様収束する。

 

このWeierstrass M testを使えば、交代級数がxに依存する関数だったとしても、適当な数列によって上から抑えることで、その集合上、つまり定義域上で、絶対一様収束することを証明できる。

 

weierstrass M testについてはこちら

 

 

 

Gagliardo Nirenberg inequality

定理

1以上のある実数qで、無限まで飛ばせる

 

jとmは非負の整数で、jはmより小さい

 

そして、rは1以上のある実数で、無限まで飛ばせる。

 

1以上の実数pと、 \theta \in [0, 1 ]で、

 \frac{1}{p} = \frac{j}{n} + \theta ( \frac{1}{r} - \frac{m}{n} ) + \frac{1 - \theta}{q} ,  \frac{j}{m} \leq \theta \leq 1

が成立するとする。

対称性みたいなものを意識して書くと、こうなる。こちらの方が覚えやすい。

 \frac{1}{p} - \frac{j}{n}  = \theta ( \frac{1}{r} - \frac{m}{n} ) + (1 - \theta) (\frac{1}{q} - \frac{0}{n})

 

すると、ある不等式が二つの例外の事例を除いて成立する。

 ||\nabla^j u||_{L^p(\mathbb{R}^n)} \leq C ||\nabla^m u||_{L^r(\mathbb{R}^n)}^\theta ||u||_{L^q(\mathbb{R}^n)}^{1 - \theta}

 

細かい例外の条件については、こちらのwikiを参照して頂きたい。

関数解析において、このGagliardo Nirenberg 不等式は便利な道具だ。

 

 

ソボレフ不等式についてはこちら(wiki)