ローラン展開について、
主要部と正則部で表すことを考える。
円環領域なら、その円環領域の形の制約を利用して、
を使いながら、展開をする。
円環領域のLaurent展開は、こちらに具体例がたくさんある。
ところで、複素平面全体で正則な関数を整関数、entire functionという。
整関数について、
が整関数になることを示すことが出来る。
整関数なら、テイラー展開が出来る。
それを、複素共役とったxを代入する。
そうして出来たものの複素共役をとる。
すると、正則であることがわかるので、整関数であることが言える。
ここで、複素共役についての知識が必要になる。
Liouvilleの定理
有界な整関数は定数である。
零点
関数が0になるような点、と簡単に覚えても差し支えないだろう。
集積
複素数全体の開集合の中で、点列が集積点をもつとは、その点列の極限が存在して、その開集合に属すること。
最大値の原理(複素解析)
有界な領域D上の正則関数f(z)について、ある$z_0 \in D$で関数が最大値をとるとき、その関数は定数関数である。
ここで、
二つの正則関数が零点を共有している場合を考える。そして、零点を除く領域において、それらの関数のノルムの比が有界であるとする。
すると、その比を表す関数が正則になっていて、
かつ、
その正則性と、有界性によって、最大値原理によって、その比が定数であることを示す。
ここで、最大値が存在することを示そう。
有界閉領域における連続関数は、その領域上で最大値と最小値をもつ。
詳しくはこちら。
ついでに、キープレイヤーのBolzano-Weierstrassの定理はこちら。
有界な点列は、収束部分列をもつ。
よって、最大値をもつので、これは定数になる。
ここで、一部の領域において、定数倍である、という関係性がわかった。
さらに、以下の一致の定理を使うと、領域全体で、その局所的に示された関係性が成立することがわかる。
一致の定理
関数がある領域上で正則であるとする。
その領域のある点に収束する点列があって、その全ての点が零点なら、その領域において、恒等的に0である。
これの応用として、開部分集合上や、曲線上で一致する場合も、一致の定理が使える。
複素解析の周りの言葉をうろうろしてみた。
面白い定理がたくさんあるし、モデルに応用出来る可能性は非常に高い。
そして何より、一致の定理の考え方は面白い。
部分的に同じなら、全体でも同じ。
人でイメージを置き換えるなら、
一部のDNAが同じ人間は、全てのDNAが同じ、
朝ご飯が同じ人間は、全く同じ人間
という具合かもしれない。恐ろしい。