多変数の比例としての行列。
多変数関数の中で、多変数の比例を考えたいことがある。
そこで、線形代数が登場する。
比例係数としての行列。行と列の組み合わせ。成分の塊。
成分の形によって呼び名が変わる。実行列か複素行列か、零行列か、単位行列か、など。
ベクトルの和とスカラー倍は、すぐに考えられる。問題は、ベクトルにかける係数として、行列を考えたらどうなるかだ。
すると、例の行列掛け算が生まれる。これは可換ではないが、結合則は成立する。
連立一次方程式を表すのに、行列とベクトルが使える。
の
を拡大係数行列という。
行をk倍したり、行のk倍を別の行に加えたり、ある行と別の行を入れ替えたりする操作をまとめて、行基本変形という。
この行基本変形を利用して、連立一次方程式を解くことを、掃き出し法という。
逆数のイメージを行列に持ってくると、逆行列となる。
正則行列に対して、逆行列は一つしかない。正則行列に零ベクトルは存在しない。
正則行列の集合では積について閉じている。
正方行列Aに対して、AB=IまたはBA=Iを満たす正方行列Bが存在するならば、Aは正則でA^-1=Bである。
正方行列について、次数nに関する数学的帰納法を用いて証明する。