医療行為の数学。
来院された時点で、最初に事前分布が用意される。
内側のダイナミクスはSDEで表しておく。
そうすると、分布が時間発展する。
その合間に、有限個の行動に対応する作用素をかける。
測定と介入に分けられる。
測定は、ダイナミクスの変数を確率的に得ることが出来る。得た結果は、ベイズの定理によって理解できる。
医療現場では、どの測定(Measurement)をするか、という話が出てくる。その際に、意味の無い検査はしたく無いので、できる限り情報を得られるものが欲しい。
つまり、情報量の変化が大きい方が嬉しい。
これで情報量による測定の選び方の尺度を求めることが出来た。
次に介入は、ダイナミクスの変数を確率的に制御することが出来る。
この上の式には、内側のダイナミクスが含まれていないことと、各々の状態の危険度が含まれていないことの2点に問題がある。
ここで、危険度についての説明に移る。状態によっては危険なものが存在する。危険か安全かの重み付け作用素が必要である。このような、状態に応じた状態リスク(State Risk)と呼ぶ。
一方で、患者さんに検査や治療をすること自体によって生まれるものを介入リスク(Intervention Risk)と呼ぶ。具体的には出費などだ。介入による合併症は状態変化によって説明できるので、介入リスクとはしない。上手く考えれば、確率分布間の輸送コストと考えられなくもない。
検査は確率分布の鋭敏化、情報を得るという意味もある。
介入は確率分布の変化、情報を変えるという意味がある。
ということで、どの介入が良いかという問題を解こう。
状態リスクによっては、
内側のダイナミクスを含んで考えると、最適制御理論を使うことが出来る。
どの時点での状態リスク(何年後に生きていればOK)かを時間依存的状態コストにして,
介入に何らかのコストを持たせる。
右辺第一項は状態コスト、第二項は介入コストである。
ダブルエージェントで片方が医療者で、他方が患者さんという構造でも良さそう。
観測が、影響を与えない観測であるなら、同じ枠組みで理解することが出来る?
この中で、わかっていないのは、状態コストの重みと、中のダイナミクスの式。
事前分布は大体手に入るだろう。
さらに、問題は介入したことが確率分布に影響するまでに時間遅れが発生することだ。とりわけ観測の方は、結果が判明するまでに時間を要する場合が多い。となると、ダイナミクスの方程式に時間遅れの項が入ることもある。
確かに、情報を得ることが目標なのではなく、全体コストを最小化することである。