closed loop control and anesthesia

こちらのニュースが飛び込んで来た。

日本光電、全静脈麻酔支援シリンジポンプ制御ソフトウェア ROP-1680 AsisTIVAのライセンス販売を開始 - 日本経済新聞

日本光電が、全静脈麻酔の自動制御を可能にするデバイスを開発した。

これによって、患者の脳活動と筋弛緩状態を把握しながら、麻酔薬(鎮痛薬・鎮静薬・筋弛緩薬)の投与量を変えていくことが出来る。

 

素晴らしい。

 

ここで登場する、”クローズドループ制御”なるキャラクター。なんだこれは。

 

気になったので、Closed loop controlの文献を漁ってみる。

 

こちら

 

時間がないので、式だけ見ていく。

 

  1. 状態q、制御f、揺らぎd、観測される出力yの式
    1. qの時間発展は、q, f, dの関数
    2. qの初期値
    3. yはq, f, dの関数
  2. 1の式を線形化する
  3.  

    1. f, dは線形
    2. qは線形と非線形の項
    3. yについても、q,f,dを線形にする
    4. zなる変数が足されているけど、意味合いはyと似ている
  4.  dを無視してみる。綺麗な線形のものだけ考える
  5.  
  6. 制御可能性行列
    1.  [B \quad AB \cdots A^{n-1} B ]  
    2. 制御可能性:この制御行列がフルランクであること(必要十分)
    3. 制御可能とは、任意の初期値と最終値について、そうなるような制御fが存在すること。
    4. 言ってしまえば、出発地と目的地がどこであれ、たどり着けます、と言う感じ
  7. 観測可能性行列
    1.  [ C \quad CA \cdots CA^{n-1} ]^T
    2. 観測可能であること:任意の初期値について、その時の状態について、その時から発展した状態の観測データからわかると言うこと
    3. 行列がフルランクであることが、必要十分
  8. 違う形の制御可能性の判断
    1. controllability Gramian
    2.  W_c (T) = \int_{0}^{T} e^{A \tau} B B^{*} e^{A^{*} \tau } d \tau  
  9. 違う形の観測可能性の判断
    1. observability Gramian
    2.  W_o (T) = \int_{0}^{T} e^{A \tau} CC^{*} e^{A^{*} \tau } d \tau  
  10. Tを無限大まで飛ばした、infinite-time Gramiansを計算したい時もある、それは、Lyapunov equationsの固有の解である。
    1.   AW_c + W_c A^{*} + BB^{*} = 0
  11.  
    1.   A^{*} W_o + W_o A + C^{*}C = 0
  12. 状態空間じゃなくて、周波数領域で考える
    1.  \tilde{y}(s) = C(sI - A)^{-1} B \tilde{f} (s)
    2. ラプラス変換を使って、周波数成分の式にする。
  13. PID feedback、Proportional Integral Derivative feedbackなるもの。有名らしい。
    1.  f(t) = -K_p y(t) - K_i \int_0^{\infty} y (\tau ) d \tau - K_d \frac{d}{dt} y(t)
    2. 要は、積分(遅延効果)に比例するものと、微分(傾向?)に比例するものを、フィードバックに入れている
  14. 簡単なシステム
    1.  \dot{y} + ay = f
  15. PI feedbackで考える
    1. 2階微分の式にする。
    2. 積分項は扱いにくいから、微分した方がいいやろと言う発想
  16. Laplace変換を噛ませる
    1.  s^2 + (a + K_p) s + K_i = 0
  17. バネー質点空気抵抗の系を考える
    1. 2階の系なので、ちょっと難しくなっている。
  18. PD feedbackを考える。
  19. Laplace変換を噛ませる
    1.  ms^2 + (b + K_d ) s + k + K_p = 0

あとは、ゲイン関数とか、色々あるが、今は良いとする。