2022-03-25 「線形安定性の基本」 線形安定性解析について調べものをしているので、それについて書く。そして、それを自分に説明する。 始めましょうか。 こちら。 動機付け まず、を考える 指数関数の形で表せる。 これは、右辺が数×x+数の形だからだ。 そのおかげで指数関数という良さげな形になっている。 指数関数が何故良さげか、どう良さげか 無限遠まで飛ばすと、発散するか、ある値に収束するかということが係数からわかる さらに、オイラーの公式みたいに、複素数まで係数を拡張できるので、振動するかどうかも係数からわかる 動機付けまとめ 常微分方程式がある そのふるまいを指数関数の形で書いてみたい なぜなら、指数関数は、発散、収束、振動、という情報が簡単に取り出せる形だから。 なので、非線形な方程式でも高次元のものでも、無理やり線形に近似して、指数関数の形の解を得ようとしている。 線形代数が必要。そういう「線形」 問題 n次元力学系 F(x)がxの非線形関数の行列、xはベクトル、常微分方程式モデル 解法(線形安定性解析的) 平衡点を求める。 その周りでの挙動に注目したい その点の近傍でTaylor展開をする 一次の部分にかかる行列をJacobian行列という ヤコビアン行列の固有値、固有ベクトルを求める。 その固有値の実部が全て負なら、安定 1つでも実部が正なら不安定 0の場合は、高次の部分について議論が必要。 応用先 Prey-Predatorモデルや、Membrane-Cytosol分子移動モデル、SIRモデルなど、いろいろ出来る。 それはさておき、いろいろ気になることはある。 1.ほかの展開方法でするとは。 テイラー展開なら、線形安定性解析 他の展開 2.2次以上まで含めるとは 3.関数ODEであることを忘れるとは 4.時間が十分経つ、という同一視をしているけれど、それは良いのか? 医学と関わりそう。病気には、急性と慢性という分け方があって、慢性というのはじわじわ来る感じだから、こっちの線形安定性解析が相性良さそう 5.行列を使っているが、テンソルにしたらどうなるか 6.ほかの体を使いたい 今回は複素数体。 最後に、ヤコビ行列の性質について復習する こちら。(変数変換とヤコビ行列) 動機付け 「一般化した」関数を考え、その微分というものを考えたい m次元ユークリッド空間から、n次元ユークリッド空間への写像 例 生物が3次元空間にいるとして、3次元空間から3次元空間への写像を考える 時間が経つこと、病気になることなどなど ヤコビアン行列 ヤコビアン行列 この調子で、和や内積を定義できる Chain Rule(連鎖律) 逆行列 気持ち 関数を考えたら、逆関数を考えよう 行列を考えたら、逆行列を考えよう ○○を考えたら、逆○○を考えよう 逆関数定理 動機付け なら、が存在する 多変数なら? 定理 を点pで微分可能写像とする が正則行列ならば、 が、近傍で、定義され、 が成立する 肝は、ヤコビとってから逆転させても、逆写像のヤコビとるのも同じということ バイバイ!