非線形な時系列データの解析手法について

こちらの文献をパラパラめくってみる。

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大変面白かった。

  1. 非線形時系列解析とは
    1. 非線形時系列解析とその発展
      1. パラメータを動かして分岐が出たら、現象理解につながるけど、動かせたらという話であるか?
    2. 本書の構成
  2. 状態空間の再構成
    1. 問題設定
      1. 微分同相写像・滑らかな力学系f : R^n → R^nと観測関数g : R^n → Rがあって、観測から元の力学系を推定できるか。
      2. 滑らか、、、2回連続微分可能。微分同相、、、元と逆関数が連続で滑らか
    2. 埋め込み定理
      1. Takensの定理。(g(x), g(f(x)), ... , g(f^(2m)(x)))に移す写像を考えれば、それが1対1対応で、微分も1対1対応している集合が開集合で稠密。
      2. つまり2m+1次元NO時間遅れで再構成できる。
    3. 実際に状態空間を再構成する時に使う手法
      1. 時間遅れの最適化
        1. 相互情報量で遅れたデータを比較
      2. 最小の埋め込み次元の推定
        1. 最近傍点の時刻
    4. 解析例
  3. 時系列データのカオス的特徴
    1. 決定論的カオスの典型的性質
    2. 相関次元
      1. heaviside関数で相関積分
      2. C(r) = 1/T^2 + sigma ( theta (r - ||v_i - v_j||))
    3. 最大リヤプノフ指数
      1. 初期値鋭敏性の指標で、どれくらいのスピードで離れていくか。
    4. 相関次元と最大リヤプノフ指数の問題点
  4. リカレンスプロット 
    1. リカレンスプロットの定義
      1. 遅れた時間同士で値を比較して、近さが一定以下なら点をうつ
    2. リカレンスプロットに含まれる情報の定量
    3. 系列相関
    4. 決定論的カオスとリカレンスプロット
    5. 外力の再構成
  5. 記号力学的アプローチを使った時系列データ解析
    1. 記号力学モデル
      1. https://dl.ndl.go.jp/view/prepareDownload?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F8667973&contentNo=1

    2. 生成分割
    3. 生成分割の推定
      1. 最適化する時は、記号の最適化と代表点の最適化を交互にして全体の最適化をする。
    4. メトリックエントロピーの推定
      1. あるボールで埋め尽くす時の、最小のボールの数
  6. 非線形時系列解析における仮説検定
    1. 仮説検定
    2. サロゲートデータ解析
    3. 決定論性と確率論性を分ける検定
  7. 非線形予測
    1. 前提
    2. 局所定数予測
    3. 局所線形予測
    4. 動径基底関数を用いた予測
    5. 中期予測
    6. 重心座標
      1. 面白い
      2. ボロノイ分割などで、三角形に分けて、それを元に中の点での値を推定する。
    7. 時系列予測が外れる理由
  8. 点過程時系列データ解析
    1. 点過程時系列データ
    2. 点過程間の距離
    3. 距離を使った時系列解析
  9. 因果性解析
    1. 方向性結合
      1. Granger causality
      2. 非線形手法の必要性
    2. 方向性結合の検定の手法
  10. 状態遷移の予兆検知
    1. 非線形システムの局所分岐と臨界点の性質
    2. 観測データによる低次元システムの分岐点検出と臨界減速
      1. 臨界点に近づくほど、揺らぎから戻るのに時間がかかりそう、ということ。
    3. 観測データによる高次元システムの分岐点検出と動的ネットワークマーカー
    4. 強いノイズを有するシステムの臨界点検出理論と方法
    5. 動的ネットワークバイオマーカーによる未病検出
  11. 高次元性、非定常性、確率論性への対処技術
    1. 大局的な情報の必要性
      1. 従来の技術
      2. Recurrence Plot of Recurrence Plots
    2. 無限次元の時間遅れ座標
    3. ダイナミカルノイズを想定した埋め込み定理、その拡張としての予測座標
  12. 多変数短期時系列データの非線形予測:ランダム分布埋め込み法と埋め込み空間の変換
    1. 前提
    2. RDE法と埋め込み空間の変換の原理
      1. こちらの文献を見かけた。
      2. https://www.pnas.org/doi/full/10.1073/pnas.1802987115

    3. 線形写像によるRDEアルゴリズム
    4. 非線形写像によるRDEアルゴリズム
    5. ニューラルネットワークによるRDEアルゴリズム

 

 

感想だが、背景のモデルを知らない時に使える手法として、強力すぎるツール出し、魅力的だ。