食べ物のための医学・数学

生物・医学のための数学について考えている。

 

今日は、食べ物について考える。

人は基本的に食べ物を口から取り込み、生活をしている。

ただし、胃瘻や点滴で栄養を補給している方はその限りではない。

そして、食べ物を与えない・与えられないと、死んでしまう。

至極当然、食べ物は大事だ(というように見える)。

 

 

食べ物とはそもそも?

言語の定義を調べることは重要なので、辞書的な意味を調べる。

something that people and animals eat, or plants absorb, to keep them alive:

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/food

 

医学に興味があるので、people eat to keep them aliveの意味が必要になる。

物事の理解の仕方として、細かく要素に分解する手法がある。なので、この語句を因数分解する。

 

eatは、

to put or take food into the mouthchew it (= crush it with the teeth), and swallow it:

dictionary.cambridge.org

 

keep them aliveの部分は先ほど述べた。(alive, 生きる、の定義が必要になるが、これはconsensusが無いので、ここで考えることはしない。)

 

要は、食べ物, foodなるものは、

 

医学的には、人が口に入れて、噛んで、飲み込むものであり、それが生存のために行われるもの、となる。

そうなると、水も食べ物、と捉えられなくもない、ということがわかる。

なぜなら、口に入れて、噛んで、飲み込むものあり、生存のために欠かせないからだ。

 

空気の方は、口に入れて、噛める(?)が、嚥下を伴わなくても、食道に入るし(気管の方にも勿論入る)、飲み込むもの、という条件にそぐわないような気がする。

 

 

食べ物の定義を見てきたが、ここで気づくことは、

前半の部分は、食べ物それ自体の性質ではなく、その対象になされる・なされ得る処理を示し、

後半の部分は、食べ物それ自体に由来する効果・影響及び食べ物の性質を示している。

 

 

前半が物理的、後半は化学的・分子生物学的、と捉える方もいるだろう。

社会的な側面では、食べ物の値段や、生産者・加工者及び彼らに支払われる報酬や、流通経路とそれに依存する食べ物の性質・形状の変化を考えることも必要だろう。今は簡単のためそれらを考えることはしない。

 

 

食べ物の数学を考える時は、この前半と後半の両方とも重要である。

例えば、前半の物理パートでは、とても巨大なプリンがあった時に、どう食べるのが良いか、という問題なども面白いだろう。プリンなる物理的実在と、口及び嚥下機能の組み合わせた問題だ。

後半の化学パートは、全身の多臓器連関や腸内細菌叢が込み入っているので、どう問題を定式化するかが非常に難しい。

 

 

具体例を集めてみる。

ラタトゥイユ効果なる、食事に関して学習した人が、食事に気を付けるようになるみたいな効果について、数理モデルを構築した研究がある。(簡単な力学系

https://arxiv.org/pdf/1601.03419.pdf

これは、食事をとる、という行動と、人の多様性と、力学系なるモデルを、組み合わせた研究だ。

 

他にも、様々なバリエーションが考えられる。意外なところに面白いネタが見つかるかもしれない。