ノルム付きベクトル空間
複素n次元のベクトルの長さ
複素ベクトル空間におけるノルムは、
1、複素ベクトル空間から、実数への写像であり、
2、その複素ベクトル空間の任意の2つの要素と、任意の複素数に対して、
3、正定値性、
4、homogeneity、複素数をかけたとき、かける前のノルムと、かけた後のノルムの関係を表す等式
5、三角不等式
があるもの
例として、n次元実数空間における、コンパクトな部分集合があり、、
その部分集合に対して、その部分集合から複素数への連続関数の空間を考える。
コンパクトな集合の上での連続関数は有界なので、
ノルムの自然な定義の仕方は、めんどくさがらずに書くと、
ノルム付きベクトル空間は、距離関数で定義される計量トポロジーが備わる。
ノルム付きベクトル空間における列がある要素に収束することは、その距離の列の極限が0になること。
任意のコーシー列がその空間内で収束するなら、その空間は距離空間として、完備となる。
完備ノルム付きベクトル空間は、Banach空間と呼ばれる。
級数は、よくノルム付きベクトル空間において定義される。
そして、収束は、部分和の極限によって定義される。
絶対収束とは、ノルムの総和が無限大にならないこと。
ノルム付きベクトル空間の完備性
ノルム付きベクトル空間が完備なのは、全ての絶対収束級数が収束するとき。
ノルム付きベクトル空間が完備と仮定する。
任意の絶対収束級数について、
m、n番目の差のノルムをとる。
そして、三角不等式をとる。
すると、絶対収束級数であったことを使うと、0に収束する。つまり、コーシー列となる。
元の空間が完備だったので、どのコーシー列も収束する。よって、この絶対収束級数も収束する。
反対に、絶対収束級数が収束することを考える。
あるコーシー列を考える。コーシー性より、
良い部分列を選んでくることが出来る。
そして、その部分和を持ってきて、
その部分和が絶対収束することを使えば、
元の部分列も収束する。
すると、三角不等式から、収束する部分列をもつコーシー列は収束する。
収束する部分列をもつコーシー列が収束することについては、こちらを参照。