2022-06-24 ベルトラン=チェビシェフの定理 ベルトラン・チェビシェフの定理なるものがある。 ここを出発点に記事を書いてみる。 始めましょうか ベルトラン=チェビシェフの定理のwiki 任意の自然数nに対して、n<p<=2nを満たす素数pが存在する 証明の概略 背理法 超ざっくりした説明だったので、これについて知りたいと思った。 よって、こちらの文献を見る。 補題1 自然数n>=4で、2nCnが4^n/nより大きい 2nCnの下限を決めていく 補題2 自然数nで、2nCnが2^{2n-1}より小さいまたは等しい 2nCnの上限を決めていく 補題3 自然数n n以下の素数の積Pn 補題2利用 補題4 補題3利用 補題5 n!を素因数分解したとき、ある素数pがp^rの形で含有されている 補題6 2nCnを素因数分解した時の、素因数pの指数r 補題5からの発展 補題7 5以上の自然数n n<p<=2nを満たす素数pが存在しないと仮定 これらの補題を組み合わせて、証明終了 要するに、 step 1 2nCnの下限をもとに不等式を作っていく(補題1) step 2 Pnの上限を、2nCnの上限をもとに不等式を作っていく(補題2,3,4) step 3 2nCnに含まれる素数の数を考える(補題5,6) step 4 仮定(n<p<=2nを満たす素数pが不在)とstep 3を使って pの範囲絞り込み 2nCn をPnの形を用いて表し、step 2を使って、上限となる式を作る step 1とそれを組み合わせて、nに関する不等式を得る。 step 5 nの関数の形から不等式が成り立たない範囲を決める。 成り立つ範囲でも、そのような素数pが存在することを確認 これで証明終了 証明の仕方が面白い。