- こちらのペイパーをまとめる。
- 幹細胞の構造的なモデルを、偏微分方程式で作る。密度の集合の上でこの方程式はSemiflowを生み出す。このSemiflowが開集合上で不変の正定測度を持つ。カオス的な振る舞いをする。血液系について、これを利用する。
- 導入。密度の集合上で、カオス的なSemiflowを作る。は可測空間(σ加法族(全体集合Xを分けることの出来る)の備わった集合)。可測関数は、もしなら密度という。Dで、全ての密度からなるの部分集合を表す。
- 密度経ちの上の力学系(Semiflows)は、多くの現象で現れる。
- 密度上でのSemiflowがカオスの振る舞いをする例は無かった。理由は2つ。1)無限次元空間の上のFlowやカオスの力学系を解析する方法が無かった。2)線形のSemiflowsのものと関連が深く、線形のSemiflow St はカオスには成らない。なので、線形のSemiflowは安定。
- カオス的な密度上のSemiflowを構築する。Semiflowは偏微分方程式で、で表される。この偏微分方程式は骨髄での血球細胞の成熟過程のモデルに使える。これは臨床的な観察とも合致する。
- カオス的なふるまいを示すために、Ergodic理論を使う。エルゴード性とは、ある物理量に対して、長時間平均と、不変測度による位相平均が等しい、という性質。
- 一旦脱線して、エルゴード理論を見るため、こちらの記事をまとめる。
- 定理1:がエルゴード的ならば、任意の可測関数fに対して、が測度0の例外を除き全ての点xで成立。気持ち的には、時間平均と空間平均が一致する。
- Szemeredi 「自然数の部分集合でバナッハ上極限密度が正なものは、いくらでも長い等差数列を含む。」定理2:測度論的力学系となる可測集合があるとき、任意のkに対して
Semiflow
- で、が関数とする。xが成熟度。細胞は成熟して分裂する。成熟の方程式は、[tex : x^{'} = g(x)]。成熟度が1になったら、骨髄を離れる。子供は母と同じ成熟度で、同じ成熟度の細胞は同じ分裂確率。
- ただし、分画に分かれることや、外からの調節は気にしない。
- 偏微分方程式は、以下から得られる。初期条件は、。これは、Rubinowの細胞集団成熟の古典的モデル。vは時刻tでの成熟度xの細胞の数。xで積分すると細胞総数Vが求まる。λは分裂速度。とする。uは密度関数となる。
- なんだかんだ計算して、、とすると、どんな関数についても、上のSemiflowについて、が成り立つ。
Result
- Borel部分集合の、代数上での、確率測度で、1)のもとで不変、2)がD0上で、3)D0が測度のTopological supportである、ような測度が存在する。
- Semiflowがカオス的であるとは、すなわち、1)の周期点の集合が、上で密なこと、2)を満たす、の射が上で密であるような、が存在する
- 気持ち的には、周期みたいなものが、壊れているために、周期点が密にD0上を埋め尽くしてて、どんな変換してもD0には収まるような構成要素がある、というのが発散しない例がある保証になっているイメージ
Proofは飛ばす
Conclusions
- もし、初期関数u0を、x=0で微分不可能で、を満たす関数であれば、カオス的な挙動を期待できる。(つまり、血球系では成熟度0のところが(きれいな形(微分可能)ではないから、カオス的な挙動を示すのかもしれない)
- カオス的な系とは、密なTrajectoryがあり、各Trajectoryが不安定である。
もう少しカオスについて詳しくなりたいので、またやろう。
バイバイ!