皮膚癌と数理+流体力学

 こちらの記事がとても面白くて、短くまとめる。

 

  • 皮膚癌の一種のメラノーマ(悪性黒色腫)は、メラノサイト由来の癌。病理組織的には、メラニン顆粒の有無が、鑑別の鍵、腫瘍マーカーは早期診断には向かないのだそう。
  • 皮膚のメラノーマは、病理学的に、縞状パターンや斑状パターンなんかがある。縞模様とは、2色以上の異なる色(または同色の濃淡)を使って、平行もしくは交差する線で構成された、模様。(複数のものが、しましまか格子か、という2点が大事)(縞状と言えば縞状鉄鉱層が出てきますね。鉄鉱石豊富な層とケイ酸塩鉱物の豊富な層が互い違いに積み重なって、しましまになっている。)斑状とは、つぶつぶが、ばらばらになっていること。水玉模様とかもそれだ。(斑状組織という、火成岩で細かい結晶や硝子質の石基の中に斑晶が散在している岩、の言葉もある。地学や地層学は、形態学的な側面もあるので、病理学とも繋がっている
  • 皮膚癌の形態形成を相分離現象(均一の混合物から、複数の区別できる相が出来上がること。水と油は、はっきり分かれる、のも相分離だ。)と考え、細胞増殖率や流体効果の強弱の組み合わせで、違うパターンをとること、先述の縞々や斑点のパターンも作ることが出来た。
  • ちなみに、相分離は、熱統計力学非平衡熱力学で完全に理解されているそうだ。

ということだそうだ。

 

そんなわけで、流体力学、相分離(とそれにまつわる熱統計力学)に興味が出たので、今度はそれについてまとめてみたい。

まずは、流体力学について。こちらの記事をまとめる。

身近な現象と流体力学

  •  液体と気体を総称して流体という。その運動について、議論するのが流体力学。動いていない(静止した)状態を議論するのが、流体静力学。(アルキメデスの原理(お風呂入ったら、体積分軽くなる)、パスカルの原理(静水圧))。動いている状態を議論するのは、流体動力学。
  • コップに入ったお茶をかき混ぜると、お茶の葉が中央に集まる。これは、お茶を混ぜると、お椀状の水面になる。そこでは、流体の遠心力と、静水圧による力(引力みたいな感じ。お椀状の水面だから)そこで、かき混ぜるのをやめると、粘性やらで流体の動きが鈍り、遠心力が静水圧よりも弱くなる。その結果、回転中心に押される。(定量的な議論は、ベルヌーイの原理と、微積分(解析)で出来る)
  • 2枚の紙の間で風を吹くと、紙がくっつく。これは、2枚の紙の間の圧力が大気圧より小さくなるから。(相対的に外からの力が大きくなって、押し負ける)。紙の間の圧力が小さくなるのは、ベルヌーイの定理によって、静圧と動圧の和が(流線に沿って)一定であることが保証されているから。流れの高さを考慮した位置エネルギーを足す。これと似た話で、飛行機が何故飛ぶか、ということで、翼の上の方が翼の下よりも、流速が大きく、圧力が小さいため、上に押されることが理由である。
  • スキージャンプでは追い風よりも向かい風の方が有利であること。これはなぜかというと、向かい風の方が、ジャンパーとの相対速度が大きいため、揚力が大きくなるから。揚力は、 F = 1/2 C_L \rho V^2 S。これと関連して、変化球が何故曲がるか、ということで、マグヌス効果、というのが知られている。ボールの回転によって、流れが加速される面と原則される面が生まれることによって、流速分布が異なり、結果として流れに対して垂直な方向に揚力が生まれる。希薄気体では、マグヌス効果の逆向きの力になるらしい。宇宙で卓球すると、ドライブは上に上がるのだな。(宇宙では、気体がボールの表面に引っ張られて、気体が動く。よって、逆向きになる)
  • 無回転シュートやナックルがふらふらした軌道を描く理由。カルマン渦が発生して、その渦によっていろんな方向に引っ張られるから。渦を放出するごとに、その反作用で、物体に横向きの力が働く。旗がたなびいたり、水中で棒を動かすと棒が左右に振動するのも、そうだ。進行方向に垂直な力だ。
  • ワインボトルのコルクをコルク抜き無しで抜きたいとき。ワインボトルに摂動を与えて、キャビテーションを起こして、泡によって押し出させる。キャビテーションとは、液体中で局所的に低圧となり、気泡を生じる現象。(気体と液体、という2つのものが、混ぜりあっていて、その混ぜり方に、揺らぎや相転移(チックなもの)があるおかげ)。指の関節が鳴ることや、ホースをつまむと白く濁るのもそれだ。

 

こんな感じだ。流体力学の基礎をざっくり学んだけれど、やっぱり面白い。今度は相転移+熱統計力学について学びたい。

 

バイバイ!