双曲線について気になった。偏微分方程式で楕円型、放物線型、双曲型、とあるのだが、楕円、放物線はイメージできるのだが(高校数学の名残だろうよ)、双曲線について、ぼんやりとしか知らない(話せない)ことに気づいた。だから、知りたいことは、1)双曲線関数とは何か、2)双曲線関数の使い方や使うタイミング、3)双曲線関数とのつながり、である。
はじめましょうか
双曲線関数とは何か
まず、Wikiさんに聞いてみよう。
- 「三角関数と類似の関数。標準形の双曲線を媒介変数表示するときにあらわれる」
- 円上の点を、角度の情報で、場所を決められるけれど、その時、角度を使って、xy座標を書いたのが、三角関数だ。それは、
、という式だった。そのy^2の符号を入れ替えた、
が標準形の双曲線の定義式だ
- 角度ではないが、点を表す変数として、
がある。
それを使えば、双曲線関数cosh、sinhを定義できる。上の三角形の面積がθ/2となるという条件がある。角度は対応しない。
双曲線正弦関数、双曲線余弦関数を書くと、こんな感じ。指数関数を足したり引いたりしたら、双曲線の座標が出てきた。
- 特徴は、加法定理や微分公式だ。逆関数が積分で時々使えそう
ちなみに複素数版の加法定理もあるらしい。こちら。
三角関数と双曲線関数の合成、という意味での加法定理だ。ここまで互換性が良いとは。 - 二階の線形微分方程式の基本解となっている。
- 後は、べき級数展開の形が、整数論と結びつきがありそう(な気がする、根拠なし)。
双曲線関数を使う
なんでも使えるに越したことはないし、使える状態に置いておかないと、結局学んだ価値が薄れてしまう。
双曲線関数を使う場面を羅列し、それぞれについて、考察する。
まずは、こちらのペイパー。一般化した三角関数と双曲線関数を定めている。
他には、こちらのペイパーがある。
- q解析が無限積の拡張としてある。これは、量子群と関わる。と共に、非線形現象を扱うのに便利。q振動代数は、多くの関数のq類似、Hermite多項式、Laguerre多項式、超幾何関数と繋がる。
- 指数関数のq版、つまり、q指数関数も定められる。(階乗の部分をqの関数で表す)。
- 量子群と、統計力学の結びつきが、一般化エントロピーの概念から、考えられている。qが1なら、ボルツマン的な表現に一致する。
- Tsallis統計は熱力学のルジャンドル変換を保つ。ノイマン方程式のエーフェレンスト定理(運動方程式の量子での期待値版、古典と量子との対応付け)を満たす。フォン・ノイマン方程式は、密度演算子の時間発展を表す式で、
密度演算子とハミルトニアンの括弧積が、時定数の定数倍となる、イメージ。適応範囲は、いろいろ。
- Tsallisエントロピーは、
で、qが1に近づけば、
となる。このq対数関数とか、q指数関数が、Tsallis統計で大事。
- 非線形振動方程式の解として、q指数関数があって、これはq三角関数やq双曲線関数と関係が深い。
ちなみに、q解析についてはこちらの記事。
- q微分、微分というと、少しずらす時に、加法を使いがちだが、それを乗法でずらす、のをqで行った。
と定義する。それから、q微分を定義したら、q導関数も定義できる。
- Taylorの公式「多項式空間上の線形作用素Dと、多項式列
について、Pn(x)は最高次数n、P0(a)=1,n>1ならPn(a)=0、DPn(x)=Pn-1(x)ただしD(1)=0、の3つを満たせば、
、が成立する。直交して、一個一個がして続き続きで、連鎖してたら、その列で分解出来る。という心。
- 累乗もq解析で表せる。そして、次数Nの多項式は、q-Taylor展開は、
- そこから、q-Taylor展開の定義を拡張して、
、それを使って、Heineの二項定理、Gaussに二項定理を作れる。そのnを∞に飛ばすと、Eulerの恒等式、E1とE2を作ることが出来る。
と、
- ここから、Jacobiの三重積公式、
を証明出来る。これは、オイラーの五角数定理(自然数を偶数個に分ける組み合わせと、奇数個に分ける組み合わせの、差を、調べたもの)、を示すことが出来る。
Tsallis統計や量子群について、興味が出てきそうだが、それはまた別の機会にする。まとめとしては、双曲線関数が、三角関数の友達として登場して、q解析みたいな形で、三角関数と一緒に進化して、非線形振動とかを扱えるようになった。
それでは、バイバイ!