ぱらぱらめくる標準生理学。
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人体は細胞から構成され、組織を形作り、器官を形成して、機能的な器官系を構築している。人体は階層構造を持っている。器官系との連携には、細胞同士の連絡が不可欠である。情報伝達物質を細胞外へ分泌して情報発信する。「対応」する受容体を持つ標的細胞だけに受信され、反応を起こす。伝達の仕方は、神経伝達、内分泌、傍細胞・自己分泌・細胞接着の4種類。神経伝達物質、ホルモン in 血液、物質 in 間質液、細胞膜上の分子がそれぞれ情報の媒介物。
多細胞生物の体内で細胞を取り巻く環境を内部環境と呼ぶ。一定に保たれているということを、恒常性という。内部環境の実態は細胞外液で、無機イオンや浸透圧の濃度、pH、酸素・二酸化炭素などの気体の溶解度、グルコースや代謝産物の濃度などが維持されている。恒常性を維持するためには、血液循環を必要とする。なぜなら、消費、生産などが不均一であるので、混ぜることが求められるから。血液は、体重の約8%で、赤血球、白血球、血小板からなる。血漿は間質液と、毛細血管の薄い壁を介して、連絡する。
人体の60%は水溶液で、細胞内液と細胞外液からなる。細胞外液のイオンはNa、Clが多く、Kイオンは少ない。細胞膜のNa-Kポンプによって濃度勾配は維持されている。細胞内液のCa濃度は刺激無しの時、細胞外の1万分の1程度。総電荷は中性。陰イオンの大半は細胞内タンパク質。血漿は5%、間質液は15%、間質液の一部はリンパ液となり静脈へ流れる。静止状態では、細胞内外で電位差あり。血漿のKイオン濃度の範囲が、静止膜電位を左右する。浸透圧濃度は、溶解している全自由粒子の総和を反映する。陽イオンのNaとKの総和の2倍が血漿浸透圧濃度の近似値。血漿タンパク質は高濃度、これは毛細血管でのバリア機能により維持される。アルブミンが半分ほど。アルブミンとは、肝臓で合成され、細胞にエンドサイトーシスで取り込まれ分解され、タンパク合成のもと。Caやホルモンと結合して、運搬タンパク質として機能する。塊で取り込んだ方が、効率が良い?一気に取り込めて、且つ色んな経路で取り込める。pH緩衝作用もある。浮腫は膠質浸透圧の低下(これは低アルブミン血症とかによる)、静水圧の上昇、毛細血管の透過性亢進による。ビリルビンは赤血球のヘムに由来し、肝臓で処理され、胆汁中に流出。クリアランスが上手くいかないと、黄疸を起こす。黄疸とは眼球結膜や皮膚の黄染。尿素窒素・クレアチニンは尿中へ排出。腎機能低下で、高窒素尿症。
ホメオスタシスとは、外因とか内因によってSet Pointから偏移が起きたときに、偏移を検知して、偏移分だけ元に戻す。Feedback調節がある。Set Point空のずれを感知して、標的器官に偏移を戻すように指令する。それに反応して、Set Pointへ戻す方向へ作用を及ぼす。FeedbackはNegativeなものが多いが、排卵や分娩はPositiveなFeedbackで特定の反応を起こす。酸素・二酸化炭素分圧は、エネルギー代謝やpHを考える上で必須。酸素分圧を感知する頸動脈小体と、中枢の化学受容器によるFeedbackで呼吸が制御される。CO2の呼吸による排出と、腎臓による酸の排泄及び重炭酸イオンの再吸収が、重炭酸イオンとCO2の平衡を保つ~pHを保つ。頸動脈洞は圧受容器で延髄の循環調節中枢を介した神経性の圧受容器反射がある。腎臓は内分泌的な反射を行う。Glucose, Ca, 浸透圧はホルモンで調節。
ホメオスタシスが破綻したときは、代償や、生体反応がある。心臓のポンプ能力が低下すると、心筋細胞が肥大化~心筋壁厚くなる~収縮力up。代償は適応の仕組みの1つ。また、侵襲、つまりホメオスタシスを乱す原因、ここでは、身体的なものと精神的なものがある、による生体反応としては、交感神経ー副腎髄質系の活動亢進による心拍増加と血管収縮からの血圧上昇、糖新生による血糖値上昇、といった緊急反応を起こして生命維持をはかる。この一連の反応をFight or Flightという。カテコールアミン・リリースという現象がそれ。カテコールアミンはアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンを総称する。